セントラルスポーツの管理栄養士監修「1週間ダイエット献立」は、60代女性でも使える内容です。ただし、朝食に卵や乳製品を1品足し、夕食に主食を少し入れるのが条件です。
目安は1日約1,600kcal・たんぱく質60g以上。元の献立に足りない「数字の物差し」を、厚生労働省の資料をもとにこの記事で補います。
この献立は2026年2月に公開されたものです。最新ニュースとしてではなく、今も繰り返し使える「一週間の型」として、60代の体に合わせた使い方をご紹介しますね。
セントラルスポーツ「1週間ダイエット献立」とは?管理栄養士監修の中身
セントラルスポーツは、2026年2月16日、自社ウェブマガジン「Catch up!」に「痩せる食事メニュー|栄養バランスに配慮した1週間ダイエット献立」という記事を公開しました。
記事は「管理栄養士監修」とされています。ただ、本文を確認したかぎり、監修者の氏名や所属の表記は見当たりませんでした。
中身は、食事の基本ルール、おすすめ食材、曜日別テーマの7日分・朝昼夜の献立、コンビニでの選び方、食べ方のコツ、よくある質問という構成です。
7日分の献立は、曜日ごとにテーマが決められています。全メニューは元記事でぜひ確認していただくとして、ここではテーマと代表的な一品だけを整理しました。
| 曜日 | テーマ | 代表的な一品 |
|---|---|---|
| 月 | 高たんぱく | 鶏むね肉のグリル定食 |
| 火 | 食物繊維 | 鮭の塩焼きともずく酢 |
| 水 | 満足感 | 豚の生姜焼き定食(ご飯少なめ) |
| 木 | ビタミンB群 | カツオのたたき |
| 金 | 作り置き | サバの味噌煮 |
| 土 | 贅沢気分 | ローストビーフ |
| 日 | リセット | 豚肉と白菜のミルフィーユ鍋 |
元記事の解説によると、週の初めにたんぱく質で筋肉量を保ち、週半ばは味付けや噛みごたえで中だるみを防ぎます。週末は少し楽しみ、日曜に雑炊や鍋で胃腸を休める流れです。
元記事を通して読んで、3食すべてに卵・魚・肉・大豆・乳製品のどれかが入る設計になっている点は、高く評価できると感じました。「抜く」のではなく「整える」献立なのです。
60代女性がそのまま使うと何が足りない?元記事の前提を確認
結論からいうと、元記事には1日の総摂取カロリーの目安も、各食のカロリーやたんぱく質量も書かれていません。
元記事は「栄養バランスとカロリーを考慮した」献立だとしつつ、具体的な数値は示していません。かわりに、自分の基礎代謝量や活動量を把握し、適切な範囲で調整することが大切だと説明しています。
また、平日の朝食は手軽なもの、昼食は外食やコンビニでも応用できるものを想定したと書かれています。日曜の解説には「翌週の仕事や学校に備えて」という趣旨の一文もあります。
つまりこの献立は、働く世代を含めた幅広い読者向けです。60代専用ではありません。
だからこそ、60代の体に合った数字を手元に持って使うことが大切だと筆者は考えます。次の章で、その物差しをご用意しますね。
60代女性の1日のカロリー・たんぱく質の目安は?食事摂取基準2025で確認
65〜74歳女性の減量中の目安は、1日約1,600kcal、たんぱく質60〜80g、1食20g以上です。
これは厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の数値をもとに、筆者が計算したものです。2025年版は2025年4月から2030年3月まで使われる基準です。
| 項目 | 65〜74歳女性の目安 |
|---|---|
| 推定エネルギー必要量 | 低い1,650/ふつう1,850/高い2,050kcal |
| 減量中の目安(ふつう) | 1,850−240=約1,600kcal |
| たんぱく質 | 推奨量50g、目標量は15〜20%エネルギー |
| 目標とするBMI | 21.5〜24.9 |
| 食物繊維 | 18g以上 |
| 食塩相当量 | 6.5g未満 |
エネルギーの数値は、同基準の参考表「推定エネルギー必要量」から、たんぱく質の割合は「エネルギー産生栄養素バランス」の表から取っています。
ちなみに食物繊維は、2020年版では65〜74歳女性で17g以上でしたが、2025年版で18g以上に引き上げられました。改定前の数字と混同しないよう注意したいところです。
身体活動レベル「ふつう」は、家事や買い物で外出し、ときどき散歩もする人のイメージ。「低い」は、家で過ごす時間が長い人にあたります。
1日240kcalはどこから来た数字?
元記事では、体脂肪1kgを減らすには約7,200kcalが必要とされ、1か月で1kgなら1日約240kcal減らす計算だと説明されています。
精白米のご飯は100gあたり約156kcalなので、240kcalはご飯ほぼ1杯分(150g)です。「ご飯1杯分を、おかずの工夫で減らす」と考えると身近になりますよね。
65歳以上は「減らしすぎない」も大切
食事摂取基準では、65〜74歳の目標BMIが21.5〜24.9と、50〜64歳の20.0〜24.9より高めです。
たんぱく質の目標量も、50〜64歳の14〜20%に対し、65〜74歳は下限が15%と高く設定されています。さらに、下限は推奨量以上とするのが望ましいという注記まで添えられています。
身長152cmなら、BMI21.5は約49.7kgです。この範囲に入っている方は、体重を減らすより筋肉を落とさないことを優先したほうがよい場合があります。
腎臓の機能が気になる方や食事制限を受けている方は、たんぱく質を増やす前に必ず主治医に相談してください。
なぜ60代は食事を抜かずに「整える」べきなの?
若い頃と同じ量でも太りやすくなるのは、意志の問題だけではありません。体の変化も大きく関係しています。
一般に、次のような変化が重なりやすいといわれています。
- 加齢とともに筋肉量が減り、基礎代謝が下がりやすい
- 閉経後は女性ホルモンが減り、内臓脂肪がつきやすくなる傾向がある
- 関節の痛みなどで、日中の活動量が落ちやすい
元記事でも、食事を抜くと空腹時間が長くなり、次の食事で血糖値が急上昇しやすいと説明されています。極端な制限は基礎代謝の低下を招き、かえって痩せにくくなる可能性があるとも指摘しています。
私は地域の健康教室で長くシニア世代の運動サポートに関わってきました。「もう歳だから」と諦めかけた方ほど、食事を削りすぎて元気をなくしてしまう姿を見てきたので、この指摘には深くうなずきました。
元献立の朝食は足りている?60代向け「足す一品」の早見表
元献立を60代が使うとき、一番手を入れたいのが朝食です。曜日によってたんぱく質量に大きな差があるからです。
日本食品標準成分表の標準的な値で概算すると、元の朝食のたんぱく質は、日曜のスムージーで約4〜5g、金曜のヨーグルト・ナッツ・バナナで約16gと、3倍以上の開きがありました。
1食20g前後に近づけるための「足す一品」をまとめました。数値は筆者の概算で、量や商品で変わります。
| 曜日 | 足す一品 | 足した後の目安 |
|---|---|---|
| 月 | 牛乳200ml | 約19g |
| 火 | ギリシャヨーグルトに替え、ゆで卵1個 | 約20g |
| 水 | 納豆1パック、ゆで卵1個 | 約18〜21g |
| 木 | 納豆ごはんに卵1個 | 約21g |
| 金 | 牛乳200ml | 約22g |
| 土 | 牛乳200ml | 約20g |
| 日 | 豆乳ベースにし、ゆで卵1個 | 約15〜17g |
日曜は少し届きませんが、昼に鶏肉の雑炊が入るリセット日なので、無理に詰め込まなくて大丈夫です。
足す食材は、火を使わずに用意できるものに絞りました。朝の手間を増やさないことが、続けるための一番の近道だからです。
60代向けにアレンジした1日分の献立例(月曜版)
月曜「高たんぱく」をベースに組み直すと、合計約1,520kcal・たんぱく質約76g(エネルギー比約20%)になります。
| 食事 | メニュー | 目安 |
|---|---|---|
| 朝 | 全粒粉パン1枚、目玉焼き、サラダ、牛乳200ml | 約430kcal・19g |
| 昼 | 鶏むね肉80gのグリル、玄米ご飯150g、味噌汁、おひたし | 約440kcal・27g |
| 夜 | 豆腐とささみのハンバーグ、きのこソテー、もち麦ご飯150g、野菜スープ | 約510kcal・26g |
| 間食 | プレーンヨーグルト100g、バナナ1本 | 約140kcal・4g |
朝は元のメニューに牛乳を足しただけです。昼は元のまま、量が書かれていない鶏むね肉を80gと決め、噛みやすいそぎ切りにしました。
夜は元のメニュー名に主食がないため、もち麦ご飯と野菜スープを加えています。60代は「低い」の1,650kcalを大きく下回らないことが大切だからです。
活動量が多めの方や背が高めの方は、ご飯を一口ずつ増やして1,600kcal前後に調整してくださいね。
1週間を無理なく続けるコツは?元記事の工夫を60代向けに
ポイントは、毎食たんぱく質を1つ入れ、塩分は一週間で帳尻を合わせることです。
- 毎食たんぱく質を1つ:卵・魚・肉・大豆・乳製品のどれかを朝昼夜に
- 夕食にも主食を少し:ご飯100〜150gに、もち麦や玄米を混ぜて
- 噛みやすく切る:こんにゃくや根菜は小さめに切ってよく煮る
- 薬味で減塩:元記事でもねぎや生姜の風味づけが紹介されています
- 食べる順番とよく噛む:野菜・汁物→たんぱく質→ご飯の順に、一口30回程度を目標に
- 夕食は早めに:元記事では就寝3時間前までが理想とされています
豚キムチ丼やサバの味噌煮など味の濃い日は、汁物の汁を半分残すなどして、一週間で調整すると気が楽になります。
おやつは、元記事によると1日の摂取カロリーの10%程度(約150〜200kcal)を目安に、ナッツやヨーグルトなどを午後3時頃に食べるのがおすすめとのこと。ゼロにするより中身を選ぶほうが、心にも優しいですよね。
忙しい日は、元記事のコンビニのコツも役立ちます。もち麦や全粒粉の主食を選び、ゆで卵やサラダチキンで一品プラス、飲み物は無糖のお茶。60代の買い物にもそのまま使えます。
運動とセットにすると献立が生きる
元記事のよくある質問では、食事制限だけでも体重は減らせるものの、運動をしないと筋肉量が減ってリバウンドしやすくなると説明されています。
60代なら、ウォーキングや椅子を使ったスクワットなど、関節にやさしい運動から始めてみましょう。高たんぱくの月曜は少し長めに歩き、リセットの日曜はゆっくりストレッチ。献立のテーマと運動を結びつけると、一週間のリズムが自然に整います。
1週間・1か月でどれくらい減る?60代の現実的なペース
1日240kcal減らすと、1週間で約1,680kcal、体脂肪にして約0.2kgです。
「それだけ?」と思うかもしれませんが、これが現実的なペースです。始めて数日で体重が大きく動いても、多くは水分などの変動と考えられます。
しかも「7,200kcalで1kg」は理論上の目安です。摂取を減らし続けると、体は消費を抑える方向に適応するといわれています。数字に一喜一憂せず、1か月単位で見ていきましょう。
めまいやだるさは転倒にもつながります。持病がある方や薬を飲んでいる方は、食事を大きく変える前にかかりつけ医に相談してください。
筆者の考察:60代は「体重」より「筋肉を守る一週間」で考えたい
ここからは筆者としての私見です。なお、私は管理栄養士ではありません。だからこそ数値は公的資料に頼り、計算の根拠をすべて本文に示すようにしています。
削る量より「たんぱく質を確保できているか」を先に
60代は、食事を減らす→筋肉が落ちる→代謝が下がる→減りにくくなる、という悪循環に入りやすい世代だと考えています。
朝食の早見表のとおり、同じ献立でも朝の一品で1日の質は大きく変わります。カロリーを何kcal削ったかより、毎食たんぱく質が入っているかを先に確認するのが、60代には合っていると筆者は考えます。
公的基準は「高齢期は痩せすぎに注意」へ
食事摂取基準は、2020年版で高齢期のフレイル予防を明確に打ち出しました。65歳以上のたんぱく質目標量の下限を15%とし、それが2025年版にも引き継がれています。目標BMIの高めの設定も含め、メッセージは一貫しています。
「若い世代と同じダイエット」をそのまま当てはめない、という流れは今後さらに強まると見ています。
他の献立と比べて見えた、この献立の立ち位置
同じく女性向けフィットネスのカーブスも、管理栄養士監修の1週間献立をコラムで公開しています。こちらは料理ごとにおおよそのカロリーやたんぱく食材が添えられ、数字で選びやすい作りです。
一方、セントラルスポーツの献立は数字がない分、曜日テーマで一週間の流れを作る「設計図」としての強みがあります。60代は、この設計図に自分用の数字を書き足して使うのが一番相性がよいと感じました。
揺らぎを前提にした一週間だから続く
1日単位で完璧を目指すと、外食やお付き合いの日に落ち込みがちですよね。土曜に楽しみ、日曜に整えるという設計なら、多少崩れても翌日から戻れます。
階段が楽になった、お通じが整った。そんな小さな変化も、立派な成果として大切にしてほしいと思います。
まとめ
セントラルスポーツが「Catch up!」で公開した管理栄養士監修の1週間献立は、曜日別テーマで3食を整え、1日約240kcal減らす考え方が土台です。
ただし総カロリーやたんぱく質量は示されていません。60代女性が使うなら、1日約1,600kcal・たんぱく質60g以上を目安に、朝食に1品足し、夕食にも主食を少し入れて調整しましょう。
本記事の情報は2026年10月1日時点のものです。最新の内容は元記事や厚生労働省の資料でご確認ください。
よくある質問
60代女性が1日1,200kcalに抑えるのは危険ですか?
食事摂取基準(2025年版)では、65〜74歳女性の推定エネルギー必要量は活動量が「低い」人でも1日1,650kcalです。1,200kcalはそこから大きく下回るため、たんぱく質不足や筋肉量の低下を招くおそれがあります。自己判断で続けず、医師や管理栄養士に相談しましょう。
夫と同じ一週間メニューを食べても大丈夫ですか?
献立は同じで構いません。65〜74歳男性の推定エネルギー必要量は「ふつう」で1日2,350kcalと女性より多いため、ご飯やおかずの量で差をつけるのが現実的です。
外食のときはどう選べばいいですか?
元記事でもすすめられているように、焼き魚定食や刺身定食など、主食・主菜・副菜がそろった定食が選びやすいです。丼ものや麺類の単品、揚げ物が続かないよう、一週間の中でバランスを取りましょう。
高橋陽子(シニアフィットネス・ライター/62歳。地域の健康教室でシニア世代の運動サポートに長年携わってきました。管理栄養士ではないため、栄養の数値は厚生労働省の公的資料をもとに計算し、根拠を本文で示しています)
