60代ダイエットには、60代前半のM.Hさんが3か月で8.3kg減った成功例があります。ただし、注目したいのは減量幅ではなく、食事・運動・記録を無理なく続けた工夫です。
69歳・73歳・64歳の女性が3週間取り組んだ事例も比較しながら、60代が成功例から何を取り入れればよいのかを具体的に見ていきましょう。
60代ダイエットの成功例とは?3か月で8.3kg減のM.Hさん
60代ダイエットの成功例として紹介されているのが、60代前半のM.Hさんが開始時56.4kgから3か月で8.3kg減、体脂肪率も5.9ポイント減という変化を経験した事例です。
この事例は、治療家・ダイエットコーチの野上浩一郎さんによるダイヤモンド・オンラインの記事「【実録! 私も3か月で自然に痩せた!】60代でも-8キロ以上! 着られなくなった服がまた着られるように!」で紹介されています。
記事の公開日は2023年9月1日で、初出は2022年5月15日です。
野上さんは2021年12月に、ダイヤモンド社から『3か月で自然に痩せていく仕組み 意志力ゼロで体が変わる!3勤1休ダイエットプログラム』を出版しています。
介護をきっかけに生活リズムと食生活が変化
M.Hさんは60代前半の頃、お母様の介護のために仕事を辞めました。
生活環境が大きく変わったことで食生活も乱れ、体重が増加。足の裏に痛みを感じるようになり、気分も落ち込みがちになったと紹介されています。
そこで始めたのが、3日取り組んで1日休む考え方を取り入れた「3勤1休ダイエット」でした。
3か月後に紹介された変化は次の通りです。
- 年齢:60代前半
- 開始時体重:56.4kg
- 実践期間:3か月
- 体重:8.3kg減
- 体脂肪率:5.9ポイント減
- 事例掲載:ダイヤモンド・オンライン
- 記事公開:2023年9月1日(初出2022年5月15日)
- 事例の性質:個人の実践例
単純計算すると、体重は56.4kgから約48.1kgとなり、開始時体重に対して約14.7%の減少です。
ただし、この8.3kgという数字を、そのまま60代の目標値にしてはいけません。
M.Hさんの身長は掲載記事から確認できないため、開始時や減量後のBMI、約48.1kgという体重が本人にとって医学的に適正だったかは判断できません。
また、これは対照群を設定して効果を検証した臨床研究ではなく、個人の成功事例です。同じ方法を実践した人が、同じ期間で同じ体重になることを示すデータではありません。
開始時の体格、筋肉量、食事量、活動量、持病、服薬状況は人によって違いますよね。
成功例を見るときは、「8.3kg減」をまねするのではなく、「どんな行動を続けられたのか」を参考にするのが大切だと私は考えます。
M.Hさんが続けていた「記録と振り返り」
M.Hさんの事例で特に参考になるのが、記録を続けていたことです。
食べたものや体重を記録するだけではなく、「今日頑張ったこと・ほめてあげたいこと」「今日をやり直せるならやってみること」などを振り返っていたと紹介されています。
ダイエットというと、「お菓子を食べてしまった」「運動できなかった」と、できなかったことばかり数えてしまいますよね。
ところが、この方法ではできたことにも目を向け、次の行動につなげていました。
掲載された体重の推移も、毎日一直線に減少していたわけではありません。途中で増えたり減ったりしながら、3か月全体では減少していました。
これは成功例を見るうえで、とても大切なポイントです。
1日単位の体重変化だけで「成功」「失敗」を決める必要はないということですね。
M.Hさんは介護中のスキマ時間にながらトレーニングも取り入れていたとされています。
減量後には、それまで着られなかった細身の服を楽しめるようになり、気持ちも前向きになったと振り返っています。
60代ダイエットのビフォーアフターは?69歳・73歳・64歳の3週間例
もう一つ参考になるのが、ハルメクが2026年1月17日に公開した「筋肉を維持する食事と運動を3週間。読者が実感した体のビフォーアフター」という企画です。
これは別々の研究結果を集めたものではなく、同一企画に参加した50代以上の女性3人が、3週間にわたって食事と運動に取り組んだ個人事例です。
食事を監修したのは野上浩一郎さん、運動を監修したのは医師・医学博士でスポーツドクターの奥田逸子さん。
食事では3日取り組んで4日目を休みにする考え方、運動では週2日の「1分スクワット」が取り入れられました。
参加者 期間 体重の変化 サイズの変化 主な特徴
69歳Tさん 3週間 3.4kg減 ウエスト5.4cm減 食事+週2日の運動
73歳Mさん 3週間 1.5kg減 ウエスト4.5cm減 食事・たんぱく質+運動
64歳Sさん 3週間 0.6kg減 へそ上8cm減 食事+スクワット
※いずれもハルメクの同一企画で紹介された個人事例であり、同じ結果が再現されることを示す臨床研究ではありません。
69歳Tさんは3週間で体重3.4kg、ウエスト5.4cm減
69歳のTさんは、お酒や揚げ物が好きで、運動は苦手だったと紹介されています。
それまでにもダイエットで挫折した経験がありましたが、今回の取り組みでは運動が週2回でよく、食事にも休みを設ける方法だったことが継続につながったようです。
ここで私が注目したいのは、「毎日頑張らなかったから続いた」という点です。
60代になると、若い頃と同じように「毎日やらなければ」と予定を詰め込むより、休める余白を作った方が生活に定着する場合がありますよね。
73歳Mさんは運動経験があっても食事を見直した
73歳のMさんは、もともと水中ウォーキングやエアロビクスなどを行っていました。
それでも思うように体重が変化しなかった中で、3週間の取り組みでは体重1.5kg減、ウエスト4.5cm減という変化が紹介されています。
取り組みを通して、食事、とくに筋肉を維持するためのたんぱく質を以前より意識するようになったそうです。
「運動しているから食事はそのままで大丈夫」とは限りませんし、反対に「食事だけ減らせばいい」とも限りません。
60代の体づくりでは、食事と身体活動をセットで見直す視点が必要だと考えるきっかけになる事例です。
64歳Sさんは体重0.6kg減でもへそ上8cm減
そして興味深いのが、64歳Sさんの事例です。
3週間の体重変化は0.6kg減でしたが、へそ上では8cm減という数値が紹介されています。スクワットを続けるうちに、筋肉を使う感覚も分かるようになったそうです。
ただし、「3週間でへそ上8cm減」はこの参加者個人の測定結果です。
ウエストや腹部のサイズは測定位置、姿勢、呼吸、時間帯などによっても数値が変わる可能性があります。そのため、「8cm減=その分だけ体脂肪が減った」と判断することはできません。
それでも、この事例から考えたいことがあります。
体重0.6kg減だけを見て「ほとんど変わらなかった」と評価していたら、サイズや運動への慣れといった別の変化を見落としてしまいますよね。
体重計は変化を見る一つの道具ですが、唯一の成績表ではありません。
60代ダイエット成功者から学べる5つのコツとは?
M.Hさんとハルメクの3人の事例を並べると、減った体重は0.6kgから8.3kgまで大きく違います。
だからこそ、数字の大小を比べるより、食事・運動・記録を生活の中でどう続けたのかに注目してみましょう。
1.休む日も含めて続けられる方法を選ぶ
M.Hさんが実践した方法には休む日があり、69歳Tさんの運動も毎日ではなく週2日でした。
「ダイエットを始めたら毎日運動しなければ」と思う方もいるかもしれません。
しかし、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」高齢者版では、筋力トレーニングは週2~3日、筋力・バランス・柔軟性などを組み合わせた多要素運動は週3日以上が推奨されています。
大切なのは、体調を無視して連続記録を伸ばすことではありません。
疲れた日は調整して、また戻ってこられる。私は60代の運動では、この「再開しやすさ」も継続の大事な条件だと考えています。
2.食事を極端に減らさず、必要な栄養にも目を向ける
早く体重を落としたいと、「夕食を抜こう」「ご飯を全部やめよう」と考えてしまうことがありますよね。
けれど、60代では体重を減らすことだけに集中して、必要な栄養まで不足させないことが重要です。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」は、2025年度から2029年度まで使用される国の基準で、年齢や性別などに応じたエネルギーや栄養素の考え方を示しています。
73歳Mさんの事例でも、運動だけでなく、食事でたんぱく質を意識するようになったことが紹介されていました。
だからといって、たんぱく質だけを増やせばよいわけではありません。
主食・主菜・副菜を基本に、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など、自分が普段の食事に取り入れやすい食品を考えてみましょう。
60代のダイエットでは、「何を食べないか」だけでなく、「これからも動ける体のために何を食べるか」という視点を持ちたいですね。
3.運動は「今より少し多く」から始める
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」高齢者版では、歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日40分以上、歩数では約6,000歩以上に相当する量行うことが推奨されています。
一方で、同ガイドは推奨量に満たなくても、少しでも身体活動を行うことを勧めています。
ここは大事ですよ。
「6,000歩歩けないから意味がない」のではありません。
今まで2,000歩程度だった方と、すでに5,000歩歩いている方では、スタート地点が違って当然です。
まず10分散歩する、買い物で少し遠回りする、長く座っていたら一度立つなど、今の暮らしに足せる動きから始めてみましょう!
4.「体重・サイズ・行動」の3軸で記録する
複数の成功例を見比べて、私が60代の方に使いやすいよう整理したのが、「体重・サイズ・行動」の3軸です。
これは公的機関が定めたダイエット評価法ではなく、成功例の数字に振り回されにくくするための筆者独自の整理方法です。
たとえば、1週間なら次のように記録できます。
- 体重:できるだけ同じ条件で測り、日々の上下より流れを見る
- サイズ:ウエストなどを同じ位置・条件で測る。洋服の着心地もメモする
- 行動:「10分歩いた」「スクワットをした」「食事を記録した」などを書く
たとえば月曜日に体重が増えていても、「夕食後に10分歩けた」という行動は残ります。
水曜日に体重が変わらなくても、「座りっぱなしの時間を減らした」という行動を確認できます。
1週間後に振り返れば、「体重はほぼ同じだけれど、4日歩けた」「ウエストは同じだけれど、椅子から立つ動作が楽になった」など、体重だけでは見えなかった変化に気づけるかもしれません。
反対に、体重が減っていても、食事を極端に減らして体調が悪くなっているなら、数字だけを見て成功と判断するのは慎重であるべきでしょう。
記録は自分を叱るための反省文ではありません。
自分にはどんな生活習慣なら続けられるのかを知るための観察ノートとして使ってみてくださいね。
5.持病・服薬・痛みがある場合は成功例をそのまままねしない
60代以降は、健康状態の個人差が大きくなります。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、慢性疾患がある人についても状態に応じた身体活動が勧められていますが、身体活動によって悪化する可能性のある合併症や、運動器の痛み・変形などがある場合には、事前に医師などの専門家へ相談するよう示されています。
つまり、「60代だから運動してはいけない」のでも、「健康のためなら何をしてもよい」のでもありません。
成功者と同じ運動回数をこなすより、自分の体に合ったスタート地点を決めることが優先です。
持病がある方、服薬中の方、膝や腰などに痛みがある方、体力低下が気になる方は、食事量や運動量を大きく変える前に医師や管理栄養士などへ相談してください。
運動中に普段と違う強い症状が出た場合も、自己判断で無理に運動を続けたり再開したりせず、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。
60代で10キロ減量したいとき、成功例をどう参考にする?
「60代 ダイエット 成功例」を検索する方の中には、「10キロ痩せた人の方法を知りたい」という方もいるでしょう。
今回紹介したM.Hさんは10kg減ではなく、3か月で8.3kg減です。この数字を「ほぼ10kg」と置き換えて紹介するのは適切ではありません。
さらに、同じ10kgでも開始時体重によって意味が違います。
開始時50kgの方にとって10kgは体重の20%ですが、90kgの方なら約11%です。
身長や筋肉量、体脂肪率、健康状態も違うため、「成功例で10kg近く減った人がいるから」という理由だけで、自分の目標を10kgに決めるのは慎重に考えたいところです。
M.Hさんの場合も、身長が掲載記事から確認できません。
そのため、56.4kgから約48.1kgになったという数字だけでは、減量後の体重が本人にとって医学的に適正だったか判断できないのです。
大幅な減量を考えているなら、まず「なぜ体重を減らしたいのか」を整理してみませんか?
健康診断の数値が気になる、膝への負担を考えている、旅行で歩ける体力をつけたい、好きな服を楽しみたいなど、目的によって目指すところは変わります。
特に、すでに適正と考えられる範囲の体重にある方が、ビフォーアフターの数字だけを見て大幅な減量を目指すことには注意が必要です。
成功例は「あなたもここまで減らすべき」という目標表ではなく、「こんな工夫の仕方もある」という選択肢の見本として見るのがよいと私は考えています。
60代ダイエット成功例から考える「痩せる」より大切なこと
今回の4人の事例を並べると、体重の変化は8.3kg、3.4kg、1.5kg、0.6kgとバラバラです。
それでも、記録する、食事を見直す、無理のない範囲で体を動かす、休みを設けながら続けるという共通するヒントが見えてきます。
ここから私が考えたいのは、60代のダイエットのゴールを「体重を減らす」だけにしないことです。
買い物へ行く、旅行先を歩く、階段を上る、家事をする、友人と出かける。私たちが本当に欲しいのは、体重計に表示される小さな数字だけではなく、そんな日常をできるだけ元気に楽しめる体ではないでしょうか。
厚生労働省の高齢者向け身体活動ガイドでも、歩行などの身体活動だけでなく、筋力トレーニングを週2~3日、多要素運動を週3日以上行うことが推奨されています。
つまり、高齢期の健康づくりでは「体重を落とすこと」だけではなく、筋力やバランスなど、これからの生活を支える体の機能にも目を向ける必要があるということです。
私は、ここに60代のダイエット成功例を見るときの重要な視点があると感じています。
8.3kgという大きな数字は目を引きます。
でも、「今日は10分歩けた」「食事を記録できた」「スクワットを無理なく続けられた」という行動の方が、自分自身の明日につなげやすい情報です。
さらに、60代では「減量後に何を残せるか」も考えておきたいところです。
目標体重に届いた瞬間に食事記録も運動もすべて終了する方法では、元の生活に戻りやすくなりますよね。
それより、「朝食に一品足す」「週に何日か歩く」「座りっぱなしを減らす」「週2回なら筋トレを続けられる」といった行動を見つけられれば、体重の数字とは別の財産になります。
だから私は、成功例を見るときに「何kg減った?」だけでなく、「この人は3か月後に何を習慣として残せたのだろう?」と考えてみることをおすすめしたいです。
年齢を理由に、最初から体づくりを諦める必要はありません。
一方で、年齢や健康状態を無視して、他人のビフォーアフターをそのまま追いかける必要もありません。
「今の自分にできる一つ」を選ぶ。その積み重ねこそ、60代から無理なく体づくりを続ける現実的な一歩ではないでしょうか。
まとめ|60代ダイエット成功例は減量幅より続け方を参考に
60代ダイエットの成功例として、ダイヤモンド・オンラインでは、60代前半のM.Hさんが56.4kgから3か月で8.3kg減、体脂肪率5.9ポイント減となった個人事例が紹介されています。
また、2026年1月17日公開のハルメクの同一企画では、69歳Tさんが3週間で体重3.4kg・ウエスト5.4cm減、73歳Mさんが体重1.5kg・ウエスト4.5cm減、64歳Sさんが体重0.6kg・へそ上8cm減という変化が紹介されました。
いずれも個人の実践例であり、同じ食事や運動によって誰でも同じ結果になることを証明した臨床研究ではありません。
だからこそ成功例から持ち帰りたいのは、減った数字ではなく、記録する・食事を整える・無理のない運動をする・休みながら続けるという工夫です。
体重だけで一喜一憂しやすい方は、「体重・サイズ・行動」の3軸で記録してみるのも一つの方法です。
まずは食事を一度記録する、10分歩いてみる、長時間座っていたら一度立つなど、今の生活に無理なく足せる一つから始めてみましょう!
よくある質問
60代でも8kgや10kgのダイエットはできますか?
60代前半のM.Hさんには3か月で8.3kg減という個人事例がありますが、すべての60代に同じ減量幅や期間が適しているわけではありません。
必要な減量量は身長、現在の体重、筋肉量、健康状態などで変わります。大幅な減量を希望する場合は、成功例の数字を目標にする前に医師や管理栄養士などへ相談しましょう。
60代は毎日運動しないとダイエットできませんか?
毎日ハードな筋力トレーニングをする必要はありません。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者の筋力トレーニングを週2~3日としています。また、1日40分・約6,000歩以上に相当する身体活動を推奨しつつ、そこに届かない場合でも少しでも体を動かすことを勧めています。
60代ダイエットのビフォーアフターは何を記録すればいいですか?
この記事では、筆者独自の整理として「体重・サイズ・行動」の3つを記録する方法を紹介しました。
体重、同じ条件で測ったウエストなどに加え、「10分歩いた」「筋トレをした」「食事を記録した」といった行動も残すと、体重だけでは分からない変化を振り返りやすくなります。
主な情報源
M.Hさんの事例は、野上浩一郎さんによるダイヤモンド・オンライン「【実録! 私も3か月で自然に痩せた!】60代でも-8キロ以上! 着られなくなった服がまた着られるように!」(2023年9月1日公開、初出2022年5月15日)をもとに、個人事例として紹介しました。
69歳Tさん、73歳Mさん、64歳Sさんについては、ハルメク「筋肉を維持する食事と運動を3週間。読者が実感した体のビフォーアフター」(2026年1月17日公開)で紹介された同一企画の個人事例を参照しています。
運動の目安と安全面については、厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の高齢者版、筋力トレーニング、慢性疾患を有する人の身体活動に関する資料を確認しています。
食事については、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」を参考にしています。2025年度から2029年度まで使用される基準です。
※成功例として紹介した体重・サイズの変化はいずれも個人の結果です。健康状態や体格によって適切な食事・運動・減量目標は異なります。
高橋陽子(シニアフィットネス・ライター)
