やましたひでこさんの断捨離とは、ただ物を捨てる方法ではなく、「今の自分に必要か」を基準に、物や予定との関係を選び直していく考え方です。
2025年3月17日のESSEonlineでは、70代を迎えたやましたさんが、お気に入りの物との向き合い方、「捨」より難しいと感じる「断」、そして古民家再生という今後の夢について語りました。なお、本記事でいう「効果」とは医学的な効能ではなく、やましたさん本人が語った暮らし方や選択の変化を指します。
やましたひでこの断捨離とは?2025年の取材で語られた核心
2025年3月17日のESSEonlineで語られた断捨離の核心は、「たくさん捨てること」ではなく、今の自分に合う物や予定を選び続けることです。
記事では、70代を迎えたやましたひでこさんの生き方を通して、断捨離が片づけだけにとどまらない考え方であることが紹介されています。
取材で取り上げられた主なポイントは次の通りです。
- 気に入っているアンティーク家具やオブジェも、いつか必要でなくなれば手放すと考えている
- 物を手放す「捨」より、誘いやオファーを断る「断」の方が難しいと感じることがある
- 予定を減らせばよいのではなく、自分の許容量とのバランスを考える
- 断捨離を続けるなかで「したいこと」「したくないこと」が見えやすくなる
- 70代の現在も「古民家再生」という新しい目標を持っている
つまり今回の記事は、「服を何枚捨てる」「収納をどう空ける」といった片づけの手順を中心にした内容ではありません。
物との関係を見直す習慣が、時間の使い方や人生の選択にどうつながっていくのかを語った記事だと捉えると分かりやすいでしょう。
断捨離という言葉には、「不要品をどんどん捨てる」という印象がありますよね。
しかし、やましたさんの考え方では、物の数そのものよりも「今の自分とその物との関係」が重要になります。
たとえば、10年前によく着ていた服があるとします。
高価だったり、思い出があったりすれば、着ていなくても手放しにくいことがあります。
けれど、
「昔、大切だった」
ということと、
「今も使いたい」
ということは同じではありません。
過去の自分を否定する必要はなく、現在の自分との関係をもう一度確かめる。そこに断捨離らしさがあります。
私は、この「現在を基準にする」という視点が、やましたひでこさんの断捨離を理解するうえで最も大切だと感じました。
暮らしは変わります。
家族構成も、仕事も、体力も、好みも変わるため、一度片づけたら一生完成というわけではありません。
断捨離とは、きれいな状態を固定する作業ではなく、変化した自分に合わせて暮らしを更新していく考え方なのだと思います。
断・捨・離はどんな意味?
断捨離は、やましたさんが大学在学中に出合ったヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」をもとに、日常生活の片づけへ応用して広めてきた考え方です。
2009年には著書『断捨離』(マガジンハウス)が刊行されました。
一般的に整理すると、
- 断:不要な物を新しく入れない
- 捨:すでにある不要な物を手放す
- 離:物への過度な執着から離れる
という考え方です。
ここで大事なのは、「捨」だけを切り取らないことです。
家の中から物を出しても、同じペースで新しい物が入れば、また管理する物が増えてしまいます。
そのため、「何を捨てるか」と同じくらい、「何を入れるか」も選ぶことが重要になります。
やましたひでこが語る断捨離の効果・変化とは?
やましたさんが語る断捨離の変化は、物が減ることそのものより、自分の違和感や「したいこと・したくないこと」に気づきやすくなることです。
ここでいう「効果」は、医学的・科学的な効能を意味するものではありません。
「断捨離をすれば病気が治る」「必ず運がよくなる」「人生の悩みが消える」という話でもありません。
2025年3月17日のESSEonlineで本人が語った内容から読み取れるのは、自分が何を持ち、何を選ぶのかを見直すことで、暮らしの判断基準が見えやすくなるという変化です。
お気に入りも「ずっと持つ」とは限らない
取材のなかで印象的なのが、やましたさんが気に入っているアンティーク家具やオブジェについても、いつかは手放す可能性があると考えている点です。
今は本当に好きで選んでいる物でも、未来の自分に必要かどうかは分かりません。
必要でなくなったときには、誰かに引き取ってもらうことも考えているそうです。
私はここに、断捨離の特徴がよく表れていると感じます。
「大切にすること」と「永遠に所有すること」は同じではないのです。
たとえば、子育て中には必要だった大きな家具も、子どもが独立したあとは暮らしに合わなくなることがあります。
仕事をしていたころ毎日のように着ていた服も、生活が変われば出番がなくなるかもしれません。
それを手放すことは、「昔の自分は間違っていた」という意味ではありません。
その時期には十分役立ち、今は役目を終えたと考えることもできます。
目の前の物から自分の「違和感」を確認できる
やましたさんは、行き詰まりを感じたときに、物との関係へ立ち戻るという考え方も示しています。
たとえば、
昔は好きだったのに、今は着る気になれない服。
便利だと思って買ったのに、何年も使っていない調理器具。
もらった相手に悪い気がして、処分できずにいる贈り物。
暮らしのなかには、こうした「なんとなく気になる物」がありますよね。
それを見るたびに、
「いつか使わなくちゃ」
「片づけなくちゃ」
「高かったから捨てるのはもったいない」
と考えることがあります。
もちろん、物を手放したからといって健康、お金、人間関係などの問題まで解決するわけではありません。
ただ、物は目の前にあるため、
「私はこれを今も好き?」
「使っている?」
「これからも持っていたい?」
と具体的に問いかけることができます。
私は、ここが断捨離の取り入れやすさだと思います。
「これからどんな人生を送りたいのか」と聞かれると、大きすぎて答えられなくても、引き出しの中の一つの物なら考えられます。
小さな判断を重ねることが、自分の心地よさを知る練習になるのでしょう。
断捨離は「一度成功したら終わり」ではない
ESSEonlineの記事では、「続けること」に対するやましたさんの考え方も紹介されています。
例として挙げられているのがヨガです。
初心者のころには大きな変化を感じたとしても、同じことだけを続ければ、いつまでも最初と同じ変化を感じられるとは限りません。
自分が変われば、取り組み方も変えていく。
断捨離も同じように考えられます。
一度片づけた部屋に物が増えたからといって、それだけで「失敗した」と決める必要はありません。
数年たてば家族構成や仕事、趣味、体力も変化します。
以前は必要だった物が不要になったり、反対に昔は必要なかった物が必要になったりします。
そのたびに見直すのは当然です。
私はこれを「また片づけなければ」ではなく、今の暮らしに合わせて更新する機会と考えると、断捨離を続けやすくなると思います。
なぜ「捨」より「断」が難しい?予定まで見直す理由
やましたさんは2025年3月17日の取材で、物を手放す「捨」より、人からの誘いや仕事のオファーを断る「断」に難しさを感じることがあると語っています。
その背景の一つとして示されているのが、「一度断ったら次の機会がなくなるのでは」という不安です。
さらに、人からの誘いを断る申し訳なさや、「いい人と思われたい」という気持ちも関わるといいます。
物なら、基本的には自分の判断で残すか手放すかを決められます。
しかし予定には相手がいます。
「せっかく声をかけてもらったから」
「断ったら失礼かもしれない」
「次は誘ってもらえないかもしれない」
と考えれば、単純な「いる・いらない」では決められません。
ここが「断」の難しいところなのでしょう。
ただし、やましたさんは「誘いはすべて断った方がいい」と言っているわけではありません。
オファーを受けたことで成長につながる場合もあるため、自分の許容量とのバランスを探ることが大切だとしています。
この点は、とても重要です。
断捨離は、
「予定は少ないほどよい」
「人付き合いを減らせばよい」
という単純な引き算ではありません。
行きたい予定なら忙しくても参加したいでしょうし、挑戦したい仕事なら多少予定が増えても引き受けたいことがあります。
問題になるのは、「本当は気が進まないのに断れない」「すでに余裕がないのに、さらに引き受ける」といった状態です。
ESSEonlineでは、自分の許容量を超えて予定などを抱え込んだとき、家が散らかるなど暮らしの状態にも影響が表れることがある、という趣旨で紹介されています。
これは医学的な因果関係を示す話ではなく、忙しさが増えれば家事や片づけへ割ける時間も減りやすい、という暮らし上の話として読むのが適切でしょう。
「捨てる」より先に「入れる前に選ぶ」
私は今回の記事で特に注目したのが、この「断」です。
断捨離というと、どうしても家にある物をどう処分するかへ意識が向きます。
しかし本当に暮らしを整え続けたいなら、出口より先に入口を見る必要があります。
たとえば、
特売だから収納用品を買う。
無料だから使う予定のない景品をもらう。
空いている日だから、気の進まない予定でも引き受ける。
一つひとつは小さくても、積み重なると管理する物や予定が増えます。
物を一つ持てば、置き場所を決め、掃除し、場合によっては手入れも必要です。
予定を一つ入れれば、その時間だけではなく、準備や移動も必要になる場合があります。
だから私は、断捨離を長く続けるポイントは「捨てる力」だけではなく、家や予定表へ入れる前に一度選ぶ力だと考えています。
これなら、「捨てなければ」と自分を追い立てるより穏やかです。
買い物をするときに一度考える。
誘いを受けたときに一度考える。
その小さな「断」が、後から大量に「捨」をしなくてもよい暮らしにつながるのではないでしょうか。
70代の古民家再生から見える断捨離の考え方
やましたさんは70代の現在も「古民家再生」という目標を持っています。この姿からは、断捨離が人生を小さくするためではなく、やりたいことのために余白をつくる考え方だと読み取れます。
2025年3月17日のESSEonlineの記事後半では、やましたさんが今後取り組みたいこととして「古民家再生」が紹介されています。
伝統的な建物を現代の暮らしに合わせて住みやすくしながら、優れた意匠を次の世代へつないでいきたいという思いがあるそうです。
一方で、やましたさんは年齢による衰えや、新しいことを習得するのに以前より時間がかかる現実も認めています。
それでも、やりたいことには挑戦したい。
また、子どもが巣立ち、介護を終えた60〜70代だからこそ、自分のために使える時間があるという見方も示しています。
ここから見えてくるのは、「減らすこと」がゴールではないということです。
断捨離には、
物を減らす。
服を減らす。
予定を減らす。
という印象があります。
けれど、本当に大切なのはその先ではないでしょうか。
空いた場所に何を迎えるのか。空いた時間を何に使うのか。
やましたさんにとって、その一つが古民家再生という新しい目標なのでしょう。
私は、この部分に今回の取材の大切なメッセージがあると感じます。
断捨離は、暮らしを空っぽにする作業ではありません。
必要でなくなった物や予定を見直し、自分がこれから大切にしたいものへ場所と時間を振り分け直す作業なのだと思います。
私が考える「やましたひでこの断捨離」の3つの本質
ここからは、2025年3月17日のESSEonlineで語られた内容を踏まえた筆者の考察です。
私は、やましたひでこさんの断捨離には、大きく3つの軸があると考えています。
1.物の数ではなく「今の自分」を基準にする
一つ目は、所有している物の数ではなく、「今の自分に必要か」を基準にすることです。
本が好きな人なら、本棚にたくさん本があっても、それを現在も読み、大切にしているなら心地よい暮らしかもしれません。
反対に、物がほとんどない部屋でも、無理をして大切な物まで処分して後悔しているのであれば、その人にとって心地よい断捨離とは言いにくいでしょう。
断捨離は「何個まで減らせば成功」という競争ではありません。
数ではなく、自分と物との関係を見る。
ここを外してしまうと、断捨離が単なる我慢になってしまいます。
2.「断」で暮らしの入口を整える
二つ目は、すでにある物を減らすだけでなく、新たに入れる物や予定を選ぶことです。
買う前にもらう前に、
「本当に使う?」
と考える。
予定を入れる前に、
「今の私には余裕がある?」
と考える。
この一呼吸があれば、あとから管理する負担を増やさずに済む場合があります。
私は、「捨」ばかり注目されやすい断捨離のなかで、むしろ日常では「断」が重要なのではないかと感じています。
一度家の中をすっきりさせても、入口が無制限に開いていれば、また元に戻りやすいからです。
3.空いた余白を「したいこと」に使う
三つ目は、減らすことを目的にしないことです。
やましたさんが70代で古民家再生という目標を持つ姿は、その象徴のように感じられます。
物が減って掃除が少し楽になった。
予定を一つ断って休日が空いた。
そこで終わるのではなく、
「その時間に何をしたい?」
「空いた場所をどう使いたい?」
と考える。
ここまでつながると、断捨離は「捨てる作業」ではなくなります。
選ぶ → 気づく → 暮らしを調整する。
この循環こそ、私はやましたさんの断捨離を無理なく暮らしへ取り入れるコツだと考えています。
断捨離で後悔しないために注意したいこと
断捨離は、迷った物まで勢いで処分する必要はありません。特に重要書類や家族の物、買い直せない思い出の品は慎重に判断した方が安心です。
断捨離という言葉だけを聞いて、「使っていない物はすべて捨てなければ」と考えるのは避けたいところです。
ゴミ屋敷片付け七福神が2024年10月18日に公開した40代女性向けの記事でも、単純に物を減らせばよいわけではなく、処分後に後悔するケースがあることへ注意を促しています。
同記事について、現在確認できる更新日は2026年6月25日です。
元原稿にあった2026年8月12日という更新日は原典と一致しなかったため、本記事では確認できた日付に修正しています。
特に慎重に考えたいのは、
- 日常的に使っている物
- 近いうちに使う予定が具体的にある物
- 契約書など保管が必要な重要書類
- 買い直せない思い出の品
- 自分以外の家族が所有している物
などです。
季節家電や冠婚葬祭用品のように、「今使っていない」だけで不要とは言えない物もあります。
また、思い出の品を見て迷うなら、今日決めなくてもかまいません。
「必要」「不要」「保留」に分けて、保留した物を一定期間後に見直す方法もあります。
ただし保留箱ばかり増えると、単なる物の移動になってしまいます。
「1か月後にもう一度見る」など、見直す時期を決めておくとよいでしょう。
私は、「今はまだ決められない」という判断も大切にしたいと思っています。
断捨離は即決大会ではありません。
自分が納得して選ぶことの方が重要です。
最初から家じゅうを片づける必要もありません。
財布の中。
バッグの中。
洗面所の引き出し一段。
食器棚のコップだけ。
このくらい小さな場所からで十分です。
そのときに、
「捨てられる?」
と聞くのではなく、
「今の私に必要?」
と問いかけてみる。
この違いだけでも、断捨離への向き合い方はずいぶん穏やかになるのではないでしょうか。
まとめ|やましたひでこの断捨離は今の自分で選び直すこと
やましたひでこさんの断捨離は、単に物を大量に捨てるための方法ではありません。
2025年3月17日のESSEonlineで語られたのは、お気に入りのアンティーク家具やオブジェも必要でなくなれば手放す姿勢、「捨」以上に難しさを感じる「断」、自分の許容量と予定のバランス、そして70代で挑戦したい古民家再生という目標でした。
今回の記事から見えてくるのは、「今の自分」を基準に物や予定を選び、変化したらまた見直していくという考え方です。
断捨離に医学的な効能があると断定することはできませんが、自分が何を持ち、何に時間を使いたいのかを考えるきっかけにはなります。
いきなり家じゅうを片づけなくても大丈夫です。
まずは引き出し一段、財布の中、バッグの中など、小さな場所から「今の私に必要?」と問いかけてみてはいかがでしょうか。
物を減らすことだけを目標にせず、残したい物と、これからしたいことのために余白をつくる。
私は、それが今回のやましたさんの言葉から学べる、無理なく続けやすい断捨離の形だと考えています。
よくある質問
やましたひでこの断捨離とは、ただ物を捨てることですか?
いいえ。断捨離は「断・捨・離」の考え方をもとに、不要な物を入れないこと、不要になった物を手放すこと、物への過度な執着から離れることまで含めて考えるものです。
大切なのは、物の数ではなく「今の自分に必要か」という視点です。
やましたひでこの断捨離にはどんな効果がありますか?
本記事でいう効果は医学的な効能ではなく、本人が語った暮らしや選択の変化を指します。
2025年3月17日のESSEonlineでは、断捨離を重ねることで、自分の違和感や「したいこと・したくないこと」が見えやすくなるという考えが紹介されています。
捨てるか迷った物はどうすればいいですか?
その場で無理に処分する必要はありません。
「必要」「不要」「保留」に分け、迷った物は一定期間後に再確認するとよいでしょう。重要書類、思い出の品、家族など自分以外の人の物は特に慎重に扱ってください。
結城さとみ(ゆうきさとみ)/暮らしのアイデアライター
